2010年10月17日

中国人気質と女性原理。

先日も少し書いたが、「小室直樹の中国原論」を読んだ。

此の度の「尖閣諸島問題」では、中国のやり方に憤慨された方も多いと思う。
私はこの本を読んだおかげで、なぜ中国がああいったものの考え方をするのかが、だいぶ掴めてきた。

良質な書物は、読んだ直後にまとめておく方が良い。
読んだ私自身、忘れてしまうことがよくあるからだ。

以下、本からの要約・抜粋はデフォルト文字、私自身のコメントは青文字としています。
それにしてもこの本、ボリュームがあって、まとめるのに骨が折れるな。

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1章
「幇」(ホウ)= 絶対的な盟友関係
(例:「桃園の誓い」・「水魚の交わり」)

中国人は「幇」の関係で結ばれた者同士、絶対的な間柄となる。
極端な話、「幇」の外にいる人間に対しては、裏切ろうが殺そうが、何をしても構わない。
中国人がよく、約束を破るとか、『事情が変わった。』と言って一方的に予定をキャンセルしたりするのは、このようなところに原因があるらしい。

中国人との人間関係形成には、時間と手間がかかる。
最高の礼を尽くすことでしか、中国人との人間関係は築けない。
日本人が中国人との間に「幇」の関係を築くことはほぼ不可能。


2章
中国における法律の最終解釈権は“役人”にある。
(西洋諸国においては当然、"裁判所”。)
役人が、自分と同じ輪に入っている人とそうでない人に対し、法律の違う解釈をする。=「二重規範」

「情誼」(チンイー)=「幇」に準ずる人間関係のこと。

中国では、買い手によって商品の価格が違う。(価格を決定する変数は「情誼」(チンイー)。)

人間関係を構築できていない相手からなら、どれだけ賄賂を貰ったところで、平気で裏切ることが出来る。

西洋における”契約”の概念が、中国人には希薄。
「書面で取り交した以上、守らなくてはならない。」という発想自体が無い。

…西洋で生まれた”契約”の概念とは、もともとは神と人間との間に出来たタテの契約(旧約・新約)。
(絶対的なもの。不履行など有り得ない。)
これを、人間同士のヨコの契約に応用したことによって、西洋では資本主義が高度に発展した。

中国人理解の鍵は、二重の人間関係。
真の関係を構築している相手に対しては、契約の有無など度外視し、誠心誠意命をかけ尽くすのが中国人。
(例:「桃園の誓い」・「水魚の交わり」)
…要するに、裏切ってばかりでは無いのだ。義に熱いのも中国人の特徴。
(但しそれは、仲間意識のある相手に対してのみ。他の者は関係なし。)

中国には"先約優先”の発想がない。(人間関係の濃い者が優先。)

中国人ビジネスマンは「金儲け」と同時に、人間結合のために商売をしている。

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ざっと第二章まで読んで私は、中国人の考え方が、女性における”セクハラ”の定義に似ていると感じた。

はたして、そのココロとは。

男性ビジネスマン向けに、「セクハラセミナー」なんてのが開催されることがある。
(私ぁそんなセミナー参加したことないんで、どんな内容なのか実のところよく知らないのだが。)
肩を叩くのもダメ、歳を聞くのもダメ、『早く結婚しなさいね。』発言などもっての外だとか…。

でも、女性から見た”セクハラ”になるならないの基準とは、とどのつまり、"相手のことが好きか嫌いか。”に尽きると思う。

その上司、乃至は同僚の男が、(ある一定レベル以上)好きなら、肩を叩かれたくらい、何とも感じやしない。
が、これが嫌いな上司であったりすると、『お疲れさん!』と肩を叩かれようものなら、「イヤ!」と、むかついてしまうのが、女というものではないだろうか。

そこには、"何をしたらセクハラになるのか。”という明確な基準など、どこにも存在しない。
コレ、さっき出てきた"二重規範”そのものである。

変な話、これが所謂"好きな人”ともなるともう、セクハラもヘッタクレもなくなる。
すべてが雲散霧消化してしまう。

“好きな人”が喜ぶのであれば…、『どんなことでもする。』

これこそが、”女子気質”というものだろう。
(つまりは、相手によって、これほどまでの落差がある。)

そのように見ていくと、”中国人気質”を考えるとき、”女子気質”は大いに参考になると思った。
(中国人がよく予定を一方的にキャンセルするのも、女性がよく待ち合わせをすっぽかすのにそっくりだ…。

昔、『中国をはじめとする東洋文明には、"女性原理”が働いている。』と聞かされたことがあったが、あれもあながち、的を外れた解釈ではなかったわけか。


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3章
「宗族」(同一姓を持つ父系集団)
中国人はいずれか(一つのみ!)の宗族に属する。
同じ宗族同士は結婚出来ない。
(日本には、このような血縁による共同体は存在しない。)

韓国にもこのシステムはあるのじゃないの?
だとすると、北朝鮮にもあると思われる。


日本では「養子」に相続させる。(婿養子システムなど。)

日本は敗戦によって、頂点における天皇システムが解消した。
村落共同体の崩壊。
これらが日本に急性アノミーをもたらした。
(いろり、暖炉、下駄…が姿を消し、代わって、テレビ、クーラー、洗濯機が日本人の生活必需品となった。)

中国の企業は、日本のように共同体になるのかというと、ならない。
その理由は、「宗族」があるから。
(中国ではアノミーは起きない。)

私は以前から、「中国はいずれ分裂するのでは?」と思っているのだが、なかなかどうして、そこはしぶといようだ。
その理由は、どうやら「宗族」の存在にあったようだ。



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posted by バウムクーヘン at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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